文字や数の学習は、子供の記号操作力を伸ばす重要な学習のひとつです。
目 次 |
文字の基礎学習 |
文字学習 |
文字学習の段階 |
文字・単語・文の構成の 学習のための教材 |
数の基礎学習 |
数学習のキー概念 |
数学習のための教材 |
1 文字学習
文字学習の基礎は、文字を記号として、また、操作的にあつかえることです。枠組みの中の位置づけ、方向づけ、順序づけとしての文字の学習。枠組みによる文字の縮小、拡大、単位による変換の自由な操作(線分を自由に操作することによって文字を構成すること)が文字の学習です。
弁別によって「は」の字を「は」と読めるのと、「は」の字が、「まず左側に長い縦の線、次に右上に短い横の線、次に右側に縦の長い線、続けて小さく丸める」という、枠組みを使った組み立ての過程を通して操作的に文字を理解するのとは、その内容はまったく違います。
2 文字学習の段階
@目の使い方と手の使い方の統制学習
A位置の弁別学習
B位置の組み立ての学習
C形の弁別学習(見本合わせの学習、延期見本合わせの学習)
D形の分解・組み立ての学習
E枠組みを使った文字の分解・組み立ての学習
F文字の見本合わせの学習・延期見本合わせの学習
G文字による音声の分解・組み立ての学習(音韻の分解・抽出の学習など)
H文字と実物・音声との結合の学習
I単語の構成学習
文字の結合による単語の構成学習、50音表を使った単語の構成学習
J文章の構成学習
文字・単語・文の構成の学習 | ||
位置・方向の学習〜文字・単語・文章構成の学習 | ||
1 | 直線の位置の学習 |
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2 | 形での位置の学習 | |
3 | 左右の位置の学習 | |
4 | 上下の位置の学習 | |
5 | 左右の位置の学習(その2) | |
6 | 左右の位置の学習(その3) | |
7 | 上下の位置の学習(その2) | |
8 | 丸の位置の学習 | |
9 | 丸の位置の学習(その2) 形の分解の習 |
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10 | 三角の位置の学習 | |
11 | 四角の位置の定位(真ん中) | |
12 | 四角の位置の学習(右上) | |
13 | 斜め線の学習 | |
14 | 斜め線の学習(その2) | |
15 | 左右の位置の学習(その4) | |
16 | 左右の位置の学習(その5) | |
17 | 左右の位置の学習(その6) | |
18 | 左右の位置の学習(その7) | |
19 | 四角の位置の定位(真ん中) | |
20 | 四角の位置の学習(右斜め上) | |
21 | 四角の位置の学習(右斜め上・中間) | |
丸の構成の学習 | ||
三角の構成の学習 | ||
22 | 「あ」の文字の構成 | |
23 | 文字と絵との見本合わせ (実物と文字の見本合わせも行う) |
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24 | 単語の構成 | |
25 | 50音の学習 | |
26 | 50音表より単語の構成 | |
27 | 「箱からリンゴをだす」行為の形成 | |
28 | 「はこからえんごをだす」の文章の構成 |
U 数の基礎学習
長さの比較(同じ、違う)と4つの記号の導入(=、≠、<、>) 系列化(5の単位の導入も含む) 見本合わせ(何と同じか) 足し算・引き算⇒左辺と右辺が同じ 足し算・引き算の意味は操作を通して意味をつかむ。4+3は、何と同じか。=は疑問の記号ではなく、同じ、釣り合うという意味である。 |
数学習の学習 | ||
1 | 3と5の数の比較(同じ、違う) | |
2 | 3と5の数の比較 (どちらが大きいか) |
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3 | 1から5までの系列化 | |
4 | 1から10までの数の系列化 | |
5 | 1から10までの数の系列化(単位の導入) | |
6 | 1から5までの数の見本合わせ | |
7 | 見本合わせ | |
8 | (見本移動式)見本合わせ | |
9 | 1から10までの数の見本合わせ | |
10 | 2+3= | |
11 | 2+3= (加数のタイルを被加数のタイルへのせる) |
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12 | 2+3=5 (被加数のタイルと加数のタイルの足したものと同じ高さのタイルを探し答えを求める) |
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13 | 10=2+□ | |
14 | 10=2+8 (10と同じ高さになるタイル8を持ってくると、それが答えになる) |
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15 | タイルを入れる枠(5枠と10枠) | |
16 | タイルによる足し算・引き算 系列化された10のタイルと5のタイルで計算する |
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17 | 4+3= 4+3=の足し算で被加数のタイルに加数のタイルを合わせ上にタイルをあげる。 タイルをあげるのが加えるという意味である。 |
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18 | 4+3= 上にあげたタイルの先端と同じタイルを探す。手がかりに物差しを使う。長さの同じタイルの下の数字を探す。その数字が答えである。 |
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19 | 4+3= 足し算。被加数は青タイル、加数は黒タイル |
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20 | 4+3= 被加数、加数のタイルの真ん中に数詞をのせる。被加数、加数のタイルを動かし、それと同じ長さのタイルを探す。同じ長さのタイルが答えになる。 |
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21 | 4+3= 同じ長さのタイルが答え。4+3=の足し算であるが、5の黒タイルを入れることによって、数字がなくても容易に答えの数がわかるようになる。 |
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22 | 4−3=1 減数だけタイルを下に下げ、同じ長さのタイルが答えである。 タイルを下げるという操作が引くという意味である。 |