障害児教育進研究室




ことばの学習の基礎は、位置、形、概念の学習です。
手や目、耳を使った遊びの活動もことばの基礎となります。
最初からことばを使用する子供さんはいません。もの(遊具、教材など)を通した基礎的な学習が大切となります。
1 文と行動の結合学習

「はこからりんごをだす」という文を読んでりんごを箱からだす。文章を読んで動作をする、モデルの動作を見て文章を作るなど。
2 文の構成の学習

「はこからりんごをだす」という文章を読んで、箱からりんごを出す。「りんご、みかん」、「だす、いれる」など、名詞、動詞の集合、さらに助詞などの集合を考えれば、簡単な文章から複雑な文章など、種々のレベルの文章が作れる。
逆に、モデルの行動を見て、文章を作ることも必要である。
3 文の構成の学習

見本の文章がある場合とない場合の両方が考えられる。
4 単語・文の構成の学習

ゴム印を使用して単語・文章を作る。
5 50音表1
6 50音表


ことばのない子供には文字を媒介にしてことばを学習する方法が有効です。

初期学習、概念行動形成の学習、文字の学習と進んで、文字の学習と同時にことばの学習をします。

ことばのないお子さんは身振りサインによる日常生活の習慣づけも大切です。
身振りサインを与えるときに気をつけなければいけない原則を示しておきます。

身振りサインの5原則
@サインは統一されていなければならない。
Aサインに対する行動はすぐにとれるようにする。
B制止(禁止)のサインを与えた場合はすぐに次のサインを与える。
Cサインの裏づけとなる要求(必要性)の強いものを与えるようにする。
Dサイン以外に気ままに盲聾児のからだに触れないようにする(子供が混乱するようなサインの与え方をしない)。
以上、盲聾児研究会で作成したサインの5原則です。他の障害児にも共通して使える原則だと思います。
特に、制止、禁止のサインはできるだけ避ける。必要な場合は次の行動ができるようにし、新たなサインを出してください


初期の段階にあるお子さんは、身振りサインは視覚的なサインよりも触覚的な身振りサインの方が子供さんには理解しやすいと思います
(触覚的なサインに関しては学習の内容と方法を参照)