障害児教育進研究室

学習の道筋

学習は系統性をもっています。初期の学習からより高次な学習へと順次進んでいきます。学習にとって教材・教具の開発・工夫は欠くことができません。

また、学習は楽しいものです。遊びながら基本的な技能を習得します。

研究室では、個々の子供の実態に即して学習内容および教材・教具を開発していますので、その一部を紹介いたします。


初期学習(その1) 障害が重度で重複している子供たちのための学習(重症心身障がい児の学習は背中、足、口などの体の部分の自発と操作的働きかけ(外界:スイッチなど)の学習である)
初期学習(その2) 自閉症、知的障がい児など、目と手の協応の学習を中心とした学習(他動児や自閉症児の学習の入り口は自発的に手を伸ばし操作することである):感覚と運動の統制学習
概念行動形成の学習 ことば、文字、数の基礎となる位置、形、ものの属性の学習など(空間の整理、位置づけ、方向づけ、順序づけがことば、文字、数の基礎である)
記号操作の学習(文字) 音韻の分解・抽出の学習(文字での学習)、文の構成の学習など(文字の学習は記号の意味の学習、記号として文字を操作することの学習である)
記号操作の学習(数 数の系列化の学習、足し算・引き算の学習、掛け算・割り算の学習など(足し算・引き算の基礎は増すことと同時に減ることを理解することである)
ことばの学習 音韻の分解・抽出の学習(音声での学習)、文字を媒介にしたことばの学習など(文字や単語の構成学習はことばを操作的に考えるための基礎になる)
盲重複障がい児の学習 盲重複障がい児の学習は、知的障がい児、自閉症児などの学習の基礎になる。というのは、触覚(手)を使った学習であるからである。手は目の教師というように、手を使うことによって目を使うことが上手になる。

              

どんなに障害が重くても学ぶ喜び、楽しみを持っています。

パスカルが考えたように、人間は考える葦であります。

したがって、どんな障害児にも学びヒトとして成長する力をもっています。

子供たちの生きる力、また精神に触れ、ともに学ぶ精神こそもっとも大切なことです。

ヒトはどのように育つのか、あるいは、ヒトの学習とは何なのかということを解明することが大切です。

哲学でもなく、心理学でもなく、教育学でもなく、新たな人間行動の学問を構築しましょう。